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2009年04月のお知らせ・コラム

2009.04.30

〈一茶の俳句365〉つゝがなき鳥の巣祝へあみだ坊  一茶

きりえタイトル「イカルチドリ」
子飼いの間のひと休み。

2009.04.29

〈一茶の俳句365〉其夜から雨に逢けり巣立鳥  一茶

きりえタイトル「イカルチドリのヒナ」
あと何日で巣立つのか。大雨にならないで。

2009.04.28

〈一茶の俳句365〉さく花も空うけ合の野守哉  一茶

きりえタイトル「道祖神」
安曇野の自慢の風景。道祖神を囲むれんげ草。アルプスの残雪に息を飲む。空に鷹が飛ぶから、ここは大自然。

2009.04.27

〈一茶の俳句365〉玉ぼこの近道付けり花のほとり  一茶

きりえタイトル「れんげファンタジー」
ピンクのじゅうたんの中に入って遊びたいのに、毛虫が怖い。いくじなしになったら可愛相だと思い、子ども達には慣れるように育てた。でも、ヘビ・トカゲ・ヤモリ大好きになった娘も、毛虫は苦手という。まだまだ訓練が不足してたようだ。風景のために、もっとれんげ畑を増やして欲しい。緑肥としても役立てて。

2009.04.26

〈一茶の俳句365〉たんぽぽに飛びくらしたる小川かな 一茶

きりえタイトル「たんぽぽのわたげ」
空にわたげが飛んでいく。どこに来年は花を咲かせるの?

2009.04.25

〈一茶の俳句365〉色鳥や木々にも花放生会  一茶

きりえタイトル「イカル」
イカルは黄色の大きなくちばしをしている。権堂の小鳥屋さんに
売っていて、飼ったことがあった。麻の実が好物。パチッと割って上手に食べた。夜なべ仕事が深夜まで続くわが家。暗くする布のカバーをかけてやってはいたが、森の夜とは別世界。イカルは寝不足になってしまった。いま思い出しても、申し訳ない。放生会を心で念じて詫びるのみ。

2009.04.24

〈一茶の俳句365〉野の菫あの家なくもあれかしな  一茶

きりえタイトル「すみれ」
目に焼きつけて、スケッチして、拡大レンズで花の姿を自分に焼きつける。

2009.04.23

〈一茶の俳句365〉鳴けよゝ下手でもおれが鶯ぞ  一茶

きりえタイトル「山法師咲いて」
庭木のやまぼうしが咲きはじめる。山に咲いている花にあこがれた日々。いま目の前に存分に咲いている。これは手に乗せられる幸せだ。私の花にそれを語る幸せをモズが見ていた。

2009.04.22

(一茶の俳句365)うつくしや雲雀の鳴きしあとの空  一茶

きりえタイトル「よい夫婦の日」
道祖神のウェディングドレス版。よい夫婦は、新しい時代の道祖神になった。

2009.04.21

〈一茶の俳句365〉菜の花にちょんと蛙の居りけり  一茶

きりえタイトル「菜の花にかくれて」
蟻がいる。蛙がいる。蝶がいる。菜の花畑では、子どももかくれんぼする。

2009.04.20

〈一茶の俳句365〉東風吹くや入日のあとの水明り  一茶

きりえタイトル「風を受けて」
どくだみのまっ白な花が、草群の中によく目立つ。刈り取って陰干しにする。夏の虫さされなどに負けないように、煎じたお茶を子ども達は毎日飲んだ。そのおかげか、たいていの虫に刺されてもへっちゃら。今のところ幸いアトピーなどとも無縁でいる。

2009.04.19

〈一茶の俳句365〉またけふもわすれてもどる日影かな 一茶

きりえタイトル「地図の日」
地図の日なので、スニーカーをはいて双眼鏡を肩に歩いてみよう。ダーツの旅を、私もしたい。どこか遠くへ、知らない街が、日本中で待っていてくれる。

2009.04.18

〈一茶の俳句365〉騒がしき世をおし祓って遅桜  一茶

きりえタイトル「さくらが響く」
北上していく桜を追うと、千曲川は下流へと伴なう。今年の見収めになるであろう別れ桜に出会えた川辺り。水の流れに桜吹雪が、私を待っていてくれたようにコンサートを開始した。

2009.04.17

きりえタイトル「菜の花に遊ぶ」

2009.04.16

きりえタイトル「城下の桜」

2009.04.15

〈一茶の俳句365〉寝転んで若草摘める日南かな  一茶

きりえタイトル「のびる」
あの土手に寝ころんで、お弁当食べたいな、ホーヨホヨヨ、ホーヨホヨヨ、春が呼んでるよ…の唄をラジオで聞いて兄弟で唄った。
歌集を作る係を引き受けた私は、中学でも大学でも、この歌を入れた。他の人が知ろうが知るまいがおかまいなく。歌わなくても、歌詞を皆に伝えたかったから…。

2009.04.14

〈一茶の俳句365〉鬼の角ぽっきり折るゝ桜かな  一茶

きりえタイトル「フレンドリー・デー」
花冷えの一日。今日はフレンドリー・デー。家の中でプロレスごっこがはじまった。ヘッドロックぐらいで泣くもんか。

2009.04.13

〈一茶の俳句365〉さくらゝと唄われし老木かな  一茶

きりえタイトル「桜をうたう」
アカゲラが老木にリズムを打つ。ワルツかサンバかボサノバか。
四月に時間をとって、桜の名木を巡る旅を夢見る。リズムに合わせて指折り数える。来年?再来年?もっと先か。

2009.04.12

〈一茶の俳句〉未練なく散るも桜はさくらかな  一茶

きりえタイトル「花びらを浮かべて」
水に浮く花びらが、名残りを惜しむように流れ去っていく。ひとひらずつ散るから桜は良いネ、と語った友人がいた。そして芭蕉の俳句を教えてくれた。散るさくら残る桜も散るさくら。

2009.04.11

〈一茶の俳句365〉きょうもまたさくらゝの噂かな  一茶

きりえタイトル「桜、ひとひらずつ」
ひとひらの花びらが噂を運ぶ。あの蕗の葉では良い噂。こちらの葉では良くない噂。占ないたくもなってくる。

2009.04.10

〈一茶の俳句365〉散る桜心の鬼も出て遊べ  一茶

きりえタイトル「桜色の丘」
桜を見ながら、やさしさを自分の中に確かめる。やさしさで満たされた心から、居ごこちの悪くなった鬼が出てくる。桜に見とれたあとは、仁王様の所へ寄ってごらん。あの天邪鬼は、私のこころから、いつか出た鬼。

2009.04.09

〈一茶の俳句365〉雪とけて村いっぱいの子どもかな  一茶

きりえタイトル「雪解け輪っか」
雪が木のまわりから解けていく。周辺にはかたくりが咲く。ふきのとうが芽吹く。ふもとの村いっぱいの子どものように。

2009.04.08

〈一茶の俳句365〉天からでも降たるやうに桜哉  一茶

きりえタイトル「さくら花」
さくらの季節は、学年が進み高校を終えて生まれた村を出た出発の背景だった。当時は、行く先だけしか見えなかった。
送り出してくれた家族の心境を思いやるゆとりは無かった。私を送り出したからこそ、忙しさの増した母は、帰省して帰ろうとする私を、去り難い程、毎回毎回引き留めた。まだったら、と。
一方祖母は私の予定が一分も遅れないよう準備に潔かった。それが明治の気性だったと言える。
二人と父の協力の元で、私は自由だった。桜の季節に一番その思いを思い出す。

2009.04.07

(一茶の俳句365)永き日や嬉し涙がほろゝと  一茶

きりえタイトル「予防注射の日」
がき大将は、皆の見ている前では泣けない。葉をくいしばって、耐えてやる。幾つになっても注射は嫌手だ。

2009.04.06

〈一茶の俳句365〉行灯やぺんぺん草の影法師  一茶

きりえタイトル「なずなのぺんぺん」
土が凍っているころでも、なずなは土に、へばりつくように葉を伸ばす。塩をひとつまみ入れたお湯に入れると、その瞬間緑が弾ける。おひたしでいただく。

2009.04.05

〈一茶の俳句365〉揚土を吹きかたむらん春の風  一茶

きりえタイトル「春風」
春風の通り道を知っているように並ぶふきのとう。出会うのが遅かった。白い花が開きすぎていた。

2009.04.04

〈一茶の俳句365〉日本は這入口から桜かな  一茶

きりえタイトル「ピカピカの一年生」
小学校の入学は、親にとって待望の記念日。その日のために学校では、桜を大事に温度管理して備えてくれる。入学という人生の入り口に、桜こそが祝い花。
息子と娘の入学式は、春のみぞれ降る寒い日だった。講堂には見事な大枝に桜が花開いて祝ってくれていた。

2009.04.03

〈一茶の俳句365〉ウグイスの幾世顔なりおく信濃   一茶

きりえタイトル「れんぎょうの花」
お味噌仕入れの時にこの花が咲いた。隣組六〜七軒が生家の門に築いたかまどで豆煮て、つぶしたあと味噌玉にした。昭和40年代までは、毎年続いていた春の行事だった。今でもお味噌とこの花は連想でインプットされている。

2009.04.02

〈一茶の俳句365〉子どもらの披露に歩く雀かな  一茶

きりえタイトル「忘れないで」 
街路樹にもこぶしがある。水が不充分になる場所もあるのか、不ぞろいになっている。
山の空気と比べたら車道は排気ガスも濃い。考え事をして通過すると花に声をかけ忘れてしまう。

2009.04.01

〈一茶の俳句365〉白壁のひいきしているかすみかな 一茶

きりえタイトル「こぶし咲くあの家」
坂の里では石垣が美しい。その風景の中に咲くこぶしは、土蔵と人気を二分する。

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